泥の河と青べか物語:夢の国からタイムマシンに乗って



本日、訳あって、大阪は此花区で仕事をしている。もっとも、最近は訳ありの仕事ばかりなのだが…


目と鼻の先にあるのは、ユニバーサルスタジオジャパン、略称USJってやつだ。USJは、安治川の下流の工場地帯のつぶれた工場跡にできたのは知られたはなしだろうか。このあたりは、宮本輝原作、小栗康平監督の映画『泥の河』の舞台でもある。


片や、テーマパークの雄、TDLこと東京ディズニーリゾートは千葉県は浦安市にある。浦安といえば、山本周五郎青べか物語』だ。もっとも、TDL埋立地に建設されているので、さかのぼってもアオヤギやハゼに海苔くらいしか出てこないだろう。


日本文学に詳しい向きは、この二つを並べた時点で陰影のある絵が浮かんでくるのだろうか。僕の連想は伏せておこうか。


今でこそ、原色のペンキに彩られ、大音響で陽気な音楽が流れるふたつのテーマパークは、当然のことだが、その昔は陰りをもつ海沿いの町だった。


それにしても、宮本輝山本周五郎ゆかりの地が、日本2大テーマパークという皮肉は、故人も苦笑いを噛み殺していることだろう。あ、宮本輝は存命だっけ。