介護ロボの抱える問題点:ロボット社会学



福祉ロボの課題解決へ、関連メーカーなどが協議会設立
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20061211i503.htm


たぶん、介護にロボットを用いるという発想が最大の問題だと思います。


介護に「ロボット技術」を用いることは有りだと思います。しかし、これはあくまで、介護者や被介護者の身体機能やコミュニケーション補助機能などの要素技術の利用であるべきで、介護の役割を(一部であれ)ロボットに負わせるってのはどうなんでしょう。


ロボットは、殴りあったり(笑)、ミサイル撃ったりするには適しているけど、ご家庭内のロボットにお慰み以上の実用的な役割を負わせるのには疑問符が付きます。このニュースで取り上げている安全性などの議論は、言っちゃ悪いが枝葉です。


どうも、手塚治虫の活躍以来、日本におけるロボットの「社会的地位」が高いせいか、なんでもホイホイとロボットに任せちゃうけど、ゴーレムの末裔に介護の一翼を担わせるってビジネス案には、工学屋だけの議論でなくもうちょっと幅広い視点から熟考した後に導入を検討すべきじゃないのかね?


少なくとも、ヒューマンメタファ、アニマルメタファとしてのロボットに関する、まともな研究や合意形成がない現状で、ビジネスとしての介護ロボットってのは気持ち悪いです。現状の「場のメンバーシップ問題」としての「対人ロボット心理学」研究だけでなく、「ロボット社会学」や「ロボット哲学」に「ロボット生態学」などを論じるべきだって言うと、マッドサイエンティスト扱いされるのかな?


ゴーレム:
ゴーレム - Wikipedia