ハイブリッド車、静か過ぎて危険…接近気づかない恐れ

in_situ2009-07-03

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090703-OYT1T00120.htm


これは,初代プリウスが出た(のは1997年)十年くらい前(1999年頃と記憶)から言ってるのに,いっつもそのままスルーされてきた話題だ.


大学生の頃(80年代末か?),藤沢のいすゞの工場で一ヶ月働いた事がある.製造ラインの通路では無人の台車が資材を運んでいたが,モータで走るこいつは回転灯を光らせ,ピロペロポロみたいな間抜けな電子音をスピーカーから鳴らしながら走っていた.工場内は,スポット溶接機やら,その他各種の工作機械等からの騒音で,ひょいと後ろ向きに下がれば無人台車と衝突して大怪我,ラインが止まる恐れもあり,安全対策として光と音の二重の警報を出しながら台車が巡っていた.


そうした経験を経て,レンタカーで借りたプリウスを,早朝の新聞配達と同時刻の瀬田川の水道道路を走らせていたら,モータだけで走行中はタイヤの摩擦音と,わずかな風切り音だけで,あたかもヨットでも走らせているようだった.こりゃ,新聞配達が飛び出して来たら,間違いなく轢くなと思った.


その頃,同時期に,日本でも日本EV協会などが率先して,EVによるレースがはじまっていた.


たとえば,以下は,手作りEVによる4時間耐久レースの模様だ.
http://www.jevc.gr.jp/denki4h/


EVレースは,F1などにみるような,あの甲高い音が無いのが,見る側の感情移入にとって阻害要因だよなとも思った.もちろん,EVなら市街地レースが容易に開催できるメリットもあるのだが.


ことほど左様に,自動車と音は不可分の問題のはずなんだが,どうも,メーカーは音は小さくすればいいと思ってた節がある.それも,運転者や搭乗者にとって静かにする事は高級車の売り上げ増につながる事もあり惜しみなく金を注ぐが,こと,歩行者や自転車など,混合交通のステークホルダー(違うか?) への情報提供には冷淡だった.


むしろ,珍走団の皆さんの方が,プレゼンスを高める空ぶかしや,ゴッドファーザーのテーマ等で主張を続けていたし,その流れを汲んでか,トラックドライバーは,ターボ者のブローオフバルブを大げさにしたような音をあたりに撒き散らしていた.





人(幼児から大人,老人,盲聾者etc...),自転車,二輪車,自動車が同じ路面を共有して走る以上は,音の問題は小さくすればいいってもんじゃない.クルマがそこにあり,自分に向かってくるのか,離れていくのかをどう伝達するかについて,今一度考える必要があるだろう.


そこには,緊急車両の音の伝達なども再検討する必要がある.締め切った車内で大音量の騒音を出すクルマに緊急車両の接近をどう伝えるか?速度違反用レーダーの後付ができるくらいだ,その気になれば,無線を使った緊急車両感知器の後付設置の義務化だって簡単にできるはずだ.


クルマと音の問題を,安全性の観点から再検討する必要があるんじゃなかろうか?